私たちが住んでいる関東平野は日本で一番広く、平野を囲むように栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県の山並みが連なっている。登山をするようになってからは、まずは近場で交通の便のよい山から登りだしと言っても過言ではない。最初は自分だけで山を楽しんできたが、家庭を持つようになってからは高原や低山になど訪れる回数も増えた。特に日光周辺は一番好きなところであり、これまで何回も訪れては四季折々の風景を楽しんできたことか。関東ブロックではまず栃木県から紹介します。
★春風や山門抜けて山に入る ★春風や険しき山路九十九折り ★男体山眼下に湖や春の風 ★春山の砂防工事も始まりぬ ★山陰に解け遅れたる残り雪 ★山上湖に影落としゆく春の雲 ★逝く春や我立つ山の大展望 ★船の行く中禅寺湖の青さかな ★春雲をしたがへる奥白根かな ★開山の人偲ばるる芽吹きかな
★涼風や金精峠越えにけり ★山道は青きカヤトの中を行く ★日盛りや倒れ木多き登山道 ★炎天や抜き抜かれつ山路行く ★遅れ咲きアオイの花野通り過ぐ ★晩夏光池の落葉を照らしけり ★涼風の吹きぬけていくガレ場かな ★赤とんぼ舞う頂や空高し ★登山者昼寝しておりぬ避難小屋
★岳友の息も乱れる夏山路 ★囀りの如き集団登山かな ★涼しさや木陰に山路入りにけり ★山頂の主か群れる赤とんぼ ★涼風に山も鎮まる高さかな ★白骨化の岳樺見て夏寂し ★締められて黴臭き山小屋の夏 ★さざ波の煌く夏や五色沼 ★オダマキの下向きに咲く愛おしさ ★夏空に鷲を放てり奥白根山
★句碑の建つ紅葉真っ盛りの登山口 ★紅葉濃き太郎山へと我独り ★秋天やガレ場の通過急ぎ足 ★日が昇り崩れるガレの霜柱 ★山頂も近し秋空見えはじむ ★痩せ尾根は谷底みせて秋深む ★太郎山我一人占め天高し ★登山して心安らぐ紅葉かな ★山頂の今は寂しき枯花野 ★静けさや落葉踏む我が音ばかり
★伐採の山や植栽なき酷暑かな ★朝露にズボンびしょ濡れの登山道 ★夏天や山の鎖場崖の淵 ★石像も暑き日や大真名子山 ★涼風や信仰の山落ち着きぬ ★囀りも止んで静まる縦走路 ★緑濃き会津の山も炎暑かな ★炎天のガレ場行く砂埃かな ★涼風や富士見峠の焚き火跡 ★山の空暗く夕立風吹きぬ
含満ガ淵
百地蔵
★新涼の日光連山雲の中
★風吹かぬ鳴虫山の残暑かな
★登り来て山の木の葉も秋めきぬ
★蛇を見て歩みの止る山男
★雲厚き男体山の九月かな
★秋の昼山を語りし女達
★履き初めの軽登山靴秋を踏む
★秋天や山に染み入る寺の鐘
★巨岩に流れ砕けし秋の渓
★思い込め秋の地蔵に願掛けぬ
★雪降りて越える人無き峠かな
★積雪の山路や靴の跡深し
★遅秋の雪の山路を登りけり
★山紅葉震える雪に見舞われぬ
★雪降りて山美しき秋の暮
★紅葉狩り一変して雪見となりぬ
★晩秋の陽に一夜雪解けにけり
★山に来て初雪友の誕生日
★一夜雪飾る湯の湖の木立かな
★山の湯も白き濁りや秋の暮
★冬に入る中禅寺湖に人け無し ★落葉して風通しよき山路かな ★霜柱立つ山道の落葉かな ★霜柱踏み潰す山靴の音 ★落葉蹴って登山ナイフを拾いけり ★木の葉散る細尾峠に風は無し ★夕日岳見渡す限り寒き空 ★短日や山の社に願掛けす ★冬天や行者を偲ぶ山険し ★終バスへ下山を急ぐ冬の暮
★梅雨明けや水の満ちたる中禅寺湖 ★梅雨明けや凛々しく聳ゆ男体山 ★男体山映して夏の湖青き ★夏雲や足尾山塊ガレ激し ★山並みに影落しゆく夏の雲 ★茶の木平鳴く鳥見えぬ茂りかな ★峠路や人の通わぬ大暑かな ★皮食われ苗木哀れや夏の鹿 ★水遊びして賑やかや夏の浜 ★夕立のきそうな空や山の湖
★ロープウェイ紅葉を見せて茶の木平へ ★湧き雲に見え隠れする山紅葉 ★落葉踏み妻と楽しむ山歩き ★紅葉見て妻の喜ぶ笑顔かな ★落葉踏み行く山道の温き色 ★山の雲解けて見ゆる秋の空 ★見下ろせば紅葉の燃ゆる谷間かな ★夕映えに煌く山の紅葉かな ★遠ざかる遊覧船や崖紅葉 ★夕日射す湖水に映える紅葉かな
★山頂より紅葉下り来るいろは坂 ★唐松の黄葉にとどく日射しかな ★燃え尽きて風吹き落す紅葉かな ★落葉踏む音なじみゆく秋の暮 ★知らぬ間に靴に張り付く濡れ落葉 ★松ぼっくり手に取る妻の弾む声 ★山霧や見えていた山沈みけり ★山の湖紅葉映して静寂なる ★親子して紅葉を語る山歩き ★霧深し牧場を囲む紅葉かな
★秋山路林道尽きて細りけり ★秋天や富士山見えぬ富士見峠 ★秋求め黙々と山歩きをり ★植林の無き伐採地秋寂し ★伐採して山の明るさ秋日射す ★紅葉して日光連山晴れわたる ★ダム工事飯場で秋の水を飲む ★山紅葉眺めつつ我キジを撃つ ★紅葉山へ先導したる小鳥かな ★額縁の男体山や時は秋
大猷院・奥の院(徳川三代将軍を祀る霊廟)
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