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 私が初めて北海道を旅したのは、昭和36年7月30日から2週間である。当時は、北海道をはじめとする長距離や長期間を旅する若者は、大量に荷物の入る横長のキスリング型リュックサックを背負っていた。その格好では列車の通路や出入り口は前向きに歩くことができず、カニのような横歩きを強いられていたことや、また、リュックサックを背負った後ろ姿がカニを思わせることから、カニ族という名で呼ばれていた。我々も「カニ族」スタイルで多くの荷物を背負って北海道南部を旅した。その時に恵庭岳・大雪山連峰、知床半島の羅臼岳にの登山に挑戦してきた。その後、冬の十勝岳に挑戦したり、旅行で小樽天狗山や函館山に登っている。それらの山々を紹介します。利尻富士をはじめ登りたい山も数多くあったが、今となっては諦めざるを得ない。


大雪山・旭岳

 

★恵庭岳(途中で退却)  

 

  昭和36.7.31〜8.1

★支笏湖の浜辺楽しきキャンプかな

★小エビ取り茹でたる夕や夏の湖

★さざ波無き湖面は鏡夏の湖

★星空を仰ぐに狭きテントかな

★清々し朝やテントも濡れにけり

★山路消え怖さの走る山涼し

★熊の気配して逃げ帰る夏の山

★奥山の神秘湖青し夏の空

★オコタンペ滝の音のみ静寂なる

神秘湖の思い出刻む夏の旅

 

支笏湖と恵庭岳
オコタンペ湖

 

 私たちが北海道に入って初めてのキャンプするのは、支笏湖の観光船で約1時間ほど奥のセントラルロッヂである。ここを選んだのも職場にアルバイトにきた芸術家志望の長井君のアドバイスによるものだ。着いて見てびっくりしたのは、観光客もいない全く静かなところで恵庭岳の山裾が湖岸に緩やかに迫っている。湖岸もそれなりの砂浜もあってキャンプするにはうってつけである。我々がテントを張ると直ぐにセントラルロッヂで料理人をしている人の子供が遊びに来た。人懐こい彼は浦島君といっていろいろとこの辺りのことを教えてくれるので大いに助かった。夕日が山陰に沈む光景は素晴らしく湖面を輝かせていた。浦島君は夕闇迫る時間まで遊んで、「明日も付き合うからね」と言ってロッヂに帰って行った。

 旅の疲れのためぐっすり寝込んでしまった。起きるのが辛かったが、清々しい朝なのでもったいないとめを擦りながら起きる。もう浦島君は遊びに来て朝食つくりを手伝ってくれた。友は湖岸でのんびりと過ごしたいというので、私と浦島君で恵庭岳とオコタンペに向かう。まず恵庭岳に向かう。しっかりした道を中腹まで登り詰めたが次第に道もあやふやになりだしたことと、ヒグマのことを考えて退却することにして引き返した途端に周囲で熊ノ気配を感じたので二人してオコタンペ湖の見える峠に向けて一目散に逃げ帰った。1時間位してオコタンペ湖の見える峠道に出た時は胸を撫で下ろした。眼下の原生林の中に静まるオコタンペ湖に吸い込まれるように暫らく見つめていた。長井君が素晴らしいから訪れる価値ありと、アドバイスしてくれただけのことはあると実感した。駆け足で湖水のところまで下った。原生林に囲まれ滝の音以外何一つ聞こえぬ静けさで、湖は神秘性を醸し出しており、湖水を見つめているだけで別世界を感じずにはいられない。かくして北海道旅行の最初の冒険は終わった。

★恵庭岳は、1972年・札幌オリンピックの恵庭岳滑降コースとして開発されたが、オリンピック終了後は、植生して自然にもどしてます。支笏湖西岸に高くそびえる標高1,320メートルの円錐型火山で頂上付近に東向きの火口があり、火口より東方に延長した深い亀裂がポロピナイ沢となって湖岸に達します。この亀裂には数カ 所の噴気孔があります。(北海道内における活火山に指定されています。)登山は、岩場や崖、急斜面などが あり、変化に富んでおり、初級者向けではありません。ポロピナイから4キロメートル、徒歩で上り約3時間半、下り約2時間40分となっており、頂上からの眺望は支笏湖全景と日高山系・石狩平野・札幌などを望めます。

 


 

★羅臼岳  

 

   昭和36.8.6〜7

★見事なるオシンコシンの滝簾

★夏霧に知床沈む昼最中

★夏旅や自然豊かな岩尾別

★知床の海荒々しい夏の浜

★キャンプして他人と語る明日の旅

★熊除けの鈴の音高き夏の山

★山道や神経使うマムシと熊

★夏霧や期待はずれの羅臼岳

★高嶺草濡れて岳人待ってをり

★夏霧や友と別れし北の山

 

知床の山々(右端  羅臼岳)

羅臼岳より知床の山々を望む
北浜より知床半島の山々を望む
 

 羅臼岳に登るためには斜里駅からバスで岩尾別まで入らなければならない。前夜、阿寒湖の砂湯でキャンプ したので、バスとジディルカーを乗り継いで斜里駅までやってきた。バスは満員であるが何とか乗ることがで きた。途中、オシンコシンの滝を見学して羅臼岳の登山口となつている岩尾別まで2時間を掛けてバスは3時 過ぎに到着した。岩尾別は寒村で自然があるのみ。林務署で入山許可書をもらってからテントを張る。テント 場でキャンプ ファイアを楽しみながら道内のハイカー達とも交流する。隣のテントが横浜市大生のテントで 明日羅臼岳を目指すというので一緒に登ることにして遅くまで打合せをして登山前夜は終わった。

 5時過ぎに横浜市大生と一緒に山路に取り付く。海抜0メートルから羅臼岳(1660m)に立つことは本 州の3000m級の山に匹敵する。それに加えて、ヒグマとマムシの多い山なので危険負担を分散させるため に30分おきに先頭を交替することにした。初めの登りはきつくて食べたものを全部吐き出してしまいたいほ どだったが、他の人のことも考えて頑張った。天候は相変らず霧雨で第一オホーツク展望台からも何も見えず。 羅臼平に着いた辺りから霧の中に羅臼岳が望め始めた。山頂へは岩がゴロゴロしていてその間を縫うように攀 じりながら登り、霧につつまれ何の展望もない山頂に立った。ここで一番期待していたのはソ連が占領してい る「国後島」を眺めることであったが、残念無念であった。天気がよければ感動もあったのにと思うと悔しい の一言に尽きる。嬉しかったのは阿寒湖でであった京大生にまた会ったことだ。お互いに名乗りはしなかったが、目と目で挨拶して写真を撮りあったり、お菓子を食べたり、一時の時間を楽しんだ。彼は硫黄岳に縦走す るという。お互 いの無事を祈り、山頂を後にした。お付き合いいただいた横浜市大生のみなさんに感謝申し 上げます。

 


 

★層雲峡〜黒岳〜北鎮岳〜間宮岳〜旭岳〜姿見の池〜勇駒別

 

  昭和36・8・9〜10

★霧雨が夏山隠す層雲峡

★天幕に友を残して山へ発つ

★高嶺草濡れて漲る青さかな

★山小屋に岳人数多雨宿り

★霧深く心細きや夏の山

★霧深き山のケルンに親しみぬ

★霧の中人声や夏縦走路

★夏霧に濡れし悲しき遭難碑

★木道が二分する花畑かな

★登り来し夏山霞む露天風呂


                                       黒岳
層雲峡


黒岳石室

晴れたら北海道一高い旭岳から風景なのでしょう

姿見の池
求めえぬ吾子岩陰に眠るとも面影映せ姿見の池(息子収さんを求めて父の及川儀之輔設置遭難碑より)
勇駒別温泉白雲荘から旭岳を望む
 

 


 

★十勝岳スキーツアー(白金温泉〜望岳台〜前十勝岳〜白銀荘〜白金温泉)

  昭和43・1・24〜26

★雪原にポプラ並木の道もあり

★雪原を染める夕日の神々しさ

★スキー終えて温泉に入る至福かな

★目の前に十勝連峰望岳台

★降る雪を積み重ねたる十勝岳

★登り来しスキーの跡や山高し

★冷え込んで鼻毛も凍る十勝岳

★冷え込んでビール泡のみ冬の山

★新雪に我がスキー沈む重さかな

★雪軽し自由自在の我が滑り

 


十勝連峰


十勝岳

留萌の仲間
白銀山荘 白金温泉より十勝連峰を望む

 

★小樽・天狗山  

 

   平成9.5.18

★近づけば草青むスキーゲレンデ

★若葉萌ゆ鎖さびつきしスキージャンプ台

★絶景や山桜咲く天狗山

★名残り雪踏むや音して懐かしき

★山頂の泥濘に見る蕗の薹

★声高き山菜取りの熟女かな

★二人して街を見下ろす若葉山

★風薫るスケッチの中の小樽かな

★初夏の浪しずかなる石狩湾

★夏めきてスキー資料館人まばら

 


 

★函館山  

 

   平成19.5.16

★函館山新緑一色日は暮れず

風薫る函館山へロープウェイ

夜景美に惹かれて集う若葉山

★外国語飛び交う初夏の函館山

★ゆつくりと沈む夕日や麦の秋

★街の灯もちらほら見えて山涼し

夜景美をもてなす山の桜かな

★恍惚になれる夜景や初夏の山

★見るからに百万ドルの夜涼かな

★聖母月妻の願いは叶いけり


湯の川温泉から函館山を望む

函館港から函館山を望む
 
 
北海道ブロック・山行年表
昭和36年8月 恵庭岳・オコタンペ湖
昭和36年8月      羅臼岳
昭和38年8月

層雲峡〜黒岳〜北鎮岳〜間宮岳〜旭岳〜姿見の池〜勇駒別

昭和43年1月 白金温泉〜望岳台〜前十勝岳〜白銀荘〜白金温泉
平成09年5月 小樽・天狗山
平成19年5月 函館山
   
   
   
   
   
H22.9.20 現在 6回

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