昨日、妻との喧嘩から今朝は山に清水を汲みに行くことにして、昨夕、水汲みに行く用意をしていたので、今朝は5時半過ぎに家を出る。「★梅雨明けや雨降る気配何もなし」と一句添える。青空も見えるものの浮雲が多いのは、天気予報のとおり午後から天気が崩れる前兆なのかもしれない。[★里山の清水を汲みに早や立ちす]と添えて、芝浦工大グラウンド接している県道で日本電産団地の南さんに会ったので、車を止めて今日は山清水を汲みに行きますと話すと、注意しながら行って下さいとの言葉が返ってきた。国道16号もそれなりに貨物自動車でそれなりに混んでいたが、新産業道路のトンネルを渋滞もなく抜けられたので最初の難関を突破した。それから先も貨物自動車が主役の如く走っている。上尾の荒川を渡る開閉橋から川島町へ抜ける車も多く、あの狭い川堤の道路を北上していく。本来ならばここから富士山や奥武蔵の山並みが見えるのだが、晴れているとはいえ、白い雲が垂れ下がっていて、今朝はなにも見えない。 ●川島町に入れば、田圃が広がり小川町の山も見える。「★里山へ青田の中の一本道」と車を走らせるのも気持ちが良い。ここでトイレを気にするところだが、出るときに2回ほどトイレに行ったので持ちそうなので国道254号沿いのローソンまで持たせる。ローソンに寄って朝食用のパンや山でのサンドイッチを買って車を走らせながら食べる。信号での渋滞もなく走れるのがいい。途中から254号の旧道に入り、東松山に出てから254号に合流して国立婦人教育会館前を通って途中から小川町に入る。笠山の背後にはモクモクの白い雲が盛り上がっているのが見える。小川町の寂れた商店街を通り抜けて槻川を渡り笠山山麓の里へ繋がる舗装された町道を上り、笠山中腹の山清水汲み場に着いたのは7時半だった。「★緑陰のトンネル続く山路かな」である。誰もこんな早い時間には来ないだろうと予測していたが見事外れてしまった。 ●既に一組が汲んでいる。話をするとすぐ近くの坂戸から来たとか。私は真ん中の水汲み場を使うことにした。水の量は多く、冷たくて感触としてはいい時に来たのではないかと思ってしまう。「★山清水汲む手の平の白さか」と一句詠む。水が跳ねるので誰かがトタンで左手のみ囲いをしてくれたている。私は正面を持ってきた段ボールで囲い、右をベニヤ板で囲い水が跳ねないように工夫して、20リットル用ポリタンク2個、2リットル用ペットボトル143個に山清水を入れてタオルでペットボトルを拭きながら6本を箱に詰めていく。前の人たちは30分前に帰って行ったので、それから静寂の中で一人黙々と汲んで1時間で終わったのは8時35分だった。水汲みが終わったのでホッとして周囲の写真を撮り、「★山に来て静寂の中の清水汲む」と俳句を詠む。 ●車も山清水を180リットルも積んでいるので重いが七重峠を目指す。この林道には先月末の台風の爪痕が残っている。というのは台風のときは林道を川の如く水が流れたらしく林道の路肩には朽ちかけている落ち葉の塊があちこちに取り残されている。「★林道や山肌崩る野分跡」加えて岩が崩落したらしく、何か所も落石に注意との新しい看板が設置されている。林道も道路脇の木々の枝が垂れ下がっていたり、草も伸び放題となっているので狭く見える。峠に付けば白い雲は西側に多く、東の谷はまだ見える。七重峠に車を置いて、亡き友の杖を相棒にして笠山へ登りにかかる。「★友の杖相棒に夏登山かな」。 ●何と言っても涼風が吹き抜け、近くの緑陰の中で鳴く鶯の声が透き通って聞こえてくるのには驚いた。今年一番の鳴き声である。「★夏鶯の声透き通る峠かな」と一句添える。この笠山のいいところは山頂まで木立の中を上っていくので、新鮮な空気を吐き出してくれる緑陰なので少しの風でも涼風となって我々をもてなしてくれる。「★里山の涼風に触れ眠気来る」、「★涼風や林の中の小休止」。しかし、登山はそんな環境下でも汗を吹きだすので帽子や背中を何回も拭う。「★登山して噴き出す汗を拭いけり」と一句添える。山頂の木間から見える景も西側は白い雲が多く、何も見えないが東側は山麓まで見える。木立に包まれた山頂の笠山神社で5人の健康を祈願して、一人佇み、亡き友のことやいろいろと思いを走らせる。「★山頂で団扇を扇ぐ私かな」、「★山神のしめ縄揺らす風涼し」、「★カナカナに山の静けさ破られる」と詠んでしまう。夏山中でカナカナが鳴くのに驚いた。山に来て生を貰いのんびり下りてきた。こんな天気なので外にはいかず下山した。
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