毎月一度は小川町笠山に山清水を汲みに行く。毎回は正月も近いので野菜やお花などを買うこともあって、極力、年の瀬に嵐山町農協や川島農協を訪れることにして天気の一番良い日を選んだ。前回の11月8日で今回も独りで汲みに来た。前日にペットボトルなどを車に積み込んであったことや、朝早く起きて食事、洗濯もすべて終えて家を出たのは9時である。開閉橋までは順調に進む。ここから丹沢山塊、富士山、奥多摩の山々、奥武蔵の山々、浅間山、榛名山、赤城山、その奥に広がる国境の雪嶺、日光連山が望める。 ★10時半近くに嵐山の農協販売所に着き、妻から頼まれた惣菜などを買い込む。安いものだから少し買いすぎた。また、シクラメンや葉ボタンなど正月用の花を買いこんで、水汲み場に急がねばと思って走り出す。寂れた小川町銀座も閑散としている。落ち葉吹き溜まる里の林道に入るも行き交う車なし。水汲み場には一台の車もなく拍子抜けして、いつもの水汲み場で、いつもより少ない160リットルだったので45分と云う短時間で汲み終えた。水場周辺の木立は落葉して静けさの中に湧き水の音のみ響いている。詩的な雰囲気に一句詠みたくなる。汲み終わるとホッとして一仕事終わった実感する一瞬である。 ★今日は大石さん、中垣さん、安田さんと亡き山仲間を偲んでの忘年山行として笠山と笹山に登ることにして笠山峠に向かう。路肩には木枯らしに集められた落葉が吹きだまっている。落石に注意しながら七重峠(笠山峠)登っていく。峠には作業用のトラックが一台止まっていたので、挨拶し言葉を交わしてから笠山へ向かう。登りながら亡き友のことを思い出しながら、時には言葉を掛けながら登って行く。笠山西峰に向かう手前にある急斜面の荒れた道で一人の老人に会い、挨拶するだけですれ違う。誰もいない西峰に着く。北側に展望が開け、秩父高原牧場も眼下に望める。笠山神社で昼食をとることにして向かうが、前回は落ち葉だらけで岩場を注意したが、今回は落葉が全て吹き飛ばされていて滑る危険はなく楽だった。11月に続いて笠山神社に着いた。誰もいないと思ったら北東に開けているところで写真を撮っている人がいた。ついでにと思って私の写真をお願いしたら意外にも断られてしまった。山に来てまで心を広げない人には不愉快心極まりない。私は北風を避け神社の西斜面の陽だまりで堂平山をながめ、嵐山農協で買ってきたお弁当を食べる。私にとって幸せな一時でもある。亡き友たちも私の心の中にいて同じように見ているに違いない。 ★昼食を終えてから神社から西峰へとゆっくり、足元に注意しながら戻る誰もいない山頂の写真を撮って下り出し、ガレ場の所で男性二人に会う。話をすると大霧山〜定峰峠〜堂平山を回って来たとか、話をすると「彩の国いきがい大学東松山学園」出身という、私も伊奈学園出身と言うと話がかみ合い少しおしゃべりしてしまった。最後にお互いの健康を願いつつ別れた。この人たちにあって笠山山頂での不愉快な思いも吹き飛んでしまった。峠に戻ってから久しぶりに笹山を目指す。気温が上がり汗ばんで整備された20分そこそこで山頂に着く。まず裸になって濡れたシャツを脱ぎ寒風摩擦をして一枚薄着になる。この山は笠山の前にある748m山であるが、ここからの東に広がる景色は新宿副都心、池袋、さいたま新都心、筑波山も望める好展望地である。眼下には広い谷間も広があり模型飛行機の滑空場だけのことはある。ここからの笠山は目と鼻の先で双眼鏡に笠山神社もはっきりと望める。また、両神山も視界の中で更にその奥に八ヶ岳連峰の一角も望める。ここから初日の出を見たらどんなに素晴らしいだろうとイメージしながら、しばらく亡き友を偲びながら景色を楽しむ。今年の素晴らしい忘年山行だった。
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