H23年

▲笠山峠～笹山

（H23.12.28）

★橋よりの富士も真白く年暮れぬ

★煙立つ遠浅間にも雪降れり

★雪被る一際高き男体山

★国境砦の如き雪嶺かな

★笠山は乳房の如き冬の空

★寒林も透けて寂しき山路かな

★冬昼の弁当美味き峠かな

★山透けて冬空見ゆる樵小屋

★山に立ち下界一望冬の空

★登り来し笹山に寒夕日射す

　　１ヶ月に１度は小川町の笠山に山清水を汲みに行くのが我が家の定例行事となっているが、先月、汲んできた山清水も正月まで持たないので、２８日に川島町農協に頼んだ餅を取りに行くので、その時に水を汲みに行くことにした。水場に来て見ると、どの蛇口もいっぱいで順番を待っている人も何人もいたので、我々は先に山に登ってから水を汲みに来ることにして笠山峠に向かった。空気が澄んでいるので峠からの眺めも素晴らしい。外は風が強いので車の中で買ってきた弁当を食べながら景色を楽しんだ。今日は笹山に登ることにして林の中の登山道に紛れ込んだ。針葉樹の林の中を行く山路は霜柱が凍っているため盛り上がっている。林の隙間から左手に笠山の山頂にある社まで望める。一つのピークは過ぎてまもなく白杵山を通過する。山頂標識は木にぶら下がっているのみ。やがて明るい笹山山頂である。ここはラジコンの飛行機を飛ばすゲレンデとなっているので谷側はすべて伐採されていて都心まで望める景勝の地である。ここからの日の出は素晴らしいに違いない。西側には両神山まで望める。妻は山頂の右側は斜面が落ち込んでいるので怖いというので記念写真を撮ってすぐに下山を開始する。峠に着けば、車も一台もない静かそのものである。注意しながら水場へと下っていく。妻は山が透けて谷が見え出すと怖いと目を閉じてしまう。

▲大宮公園周辺ハイキング

（H23.11.29）

★盆栽も時を重ねて秋立ちぬ

★盆栽の木々紅葉して手入れ待つ

★静寂なる紅葉の中の四季の家

★盆栽の秋見せている美術館

★紅葉降る林の中の博物館

★物語る過去の遺物に秋日射す

★仰ぎ見るカエデ紅葉の高さかな

★水鳥の居心地のよき池浅し

★参道も紅葉して人歩みくる

★年の市迫る社の準備かな

２班は会員が７名と減少したことと、いきがい大学伊奈学園校友会で活動している人が４名もいることから、特別に班活動はしないで１４期校友会関係の行事に参加し、校友会活動を盛上げることをモットーにこの一年間活動を続けることにしている。そのため今日は３名が企画部・ハイキングクラブ合同ハイキングに参加したので報告する次第。今日も午前１０時に東武線大宮公園駅に集合で、企画部とハイキングクラブが合同事業として呼びかけたのに集まったのは１０人と寂しい人数である。しかし、これくらいの少人数の方が小回りもきくし、行動が取りやすい利点もある。まずは盆栽村の盆栽の園を訪れる。紅葉して葉が落ちようとしている盆栽の葉をすべて落として手入れしている。盆栽も小まめに面倒をみないと人間が考えているような成長は望められないらしい。次に漫画会館を訪れるも工事中で見られないので紅葉降る広い裏道を通ってさいたま市の「四季の家」を訪れた。次にもう一軒の盆栽の園をみてから盆栽美術館を訪れた。入場料は１５０円である。盆栽の作品が展示されている。写真撮影は禁止であるが、庭園の一箇所だけ紅葉の盆栽のところで集合写真がとれるだけのスペースを設けてここだけは撮影させている。我々も巡視の方にシャッターを押してもらって記念撮影してもらった。歴史と民俗博物館で昼食することにして先を急ぎ、見学する前に２階のテラスで目の前に広がるカエデ紅葉を眺めながらの昼食は最高だった。見終わってから古い遺跡の前で記念写真をとって後にした。みんなで大宮公園の散策を楽しみながら最後に氷川神社を訪れた。社殿の朱色に負けじと神社周辺の紅葉も真っ盛りで人目を引く。我々もそれぞれ願いを込めて賽銭を入れ、門の前で記念写真を撮ってら大宮公園駅まで戻って解散した。お疲れさまでした。

漫画会館工事中

盆栽美術館

埼玉県歴史と民俗博物館

大宮氷川神社

▲粥仁田峠～大霧山

（H23.11.22）

★山里の廃れし家の柿花火

★廃校の庭の紅葉に一目惚れ

★紅葉して彩り豊か里の山

★峠路のもてなす紅葉目を奪う

★紅葉降る山の静寂に溶け込みぬ

★落葉踏み踏み妻と立つ大霧山

★雪被る上越の国境かな

★絶景に言葉も要らぬ秋の山

★山頂を二人占めして秋暮れぬ

★山に来て落葉蹴散らす下りかな

　　１ヶ月に１度は小川町の笠山に山清水を汲みに行くのが我が家の定例行事となっているが、今月は行事や天候不順のため山清水を使い切って汲みに来るチャンスもなく、今日は冷え込み秋晴れなので、この天気を逃す手はないと定番コース巡りをした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★水場に来て見ると、４組の人が汲みに来ていた。我々が毎回汲んでいる水場は地面から噴出しているので敬遠する人も多いので直ぐに空いたので待つことなく汲めた。汲み終わってから笠山峠を越え大霧山登山口の粥仁田峠へと急ぐ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★大霧山へ登りたいという妻は２年ぶりの登山である。１時間弱で妻の念願の大霧山に立てた。今朝は一番の冷え込みで空も澄んでいることから、西に両神山とその奥に蓼科山・八ヶ岳の赤岳・阿弥陀岳・横岳・奥秩父の峰々、北には浅間山・真っ白な白根山と上越国境の谷川連峰・近場の赤久縄山、荷鉾山・伊香保の山々・赤城山・尾瀬・上州武尊山・日光白根山、日光の山々、東に筑波山などはっきりと見え言うことなし。特に上越国境の山並みの白さ。二人して双眼鏡を取り出して暫らく見惚れていた。妻と二人だけの世界となり、ゆっくりと食事しながら心行くまで絶景を楽しんだ。こんな景色に恵まれるのは年にそんなにあるものではない。一期一会とはこういう瞬間の出会いを言うのであろう。今日は二人して幸せな登山日和だった。

▲震生湖・渋沢丘陵ハイキング

（H23.11.20）

★懐かしき車窓の山も紅葉色

★雲切れて表丹沢秋深む

★名水の湧く池に浮く紅葉かな

★せせらぎや故郷想う紅葉川

★丘陵へ息を切らせし紅葉坂

★パノラマの景素晴らしき秋の丘

★雪被る富士見えて我うれしきや

★紅葉降る震生湖釣り人あまた

★秋光に染まる鳥居や弁財天

★紅葉降る中の句碑読む震生湖

私が初めて震生湖を訪れたのは昭和３６年５月２１日のことである。当時、中央大学３年生で自治会クラブには教育研究会に所属しており、春のハイキングで訪れた。この時の頭の中にある風景は、開発されていない丘陵地帯は畑が広がり、秦野駅まで農家の家があるのみで本当に田舎の田園風景そのものであった。また、震生湖もそれほど整備されておらず、訪れる人も少なく静かな湖だった。退職者会ハイキングで１２月は震生湖を訪れるので下見にゆくことになったインターネットで調べてきた地図を頼りに、指導標識や行き交う人に訪ね訪ね渋沢丘陵に辿り着いた。何とここからの景色の素晴らしさには驚く。一番は大山から表丹沢の山並みとその手前の盆地に広がる市外の風景が一望できること。以前、訪れた時も同じような風景を目にしているのだろうが、こんな素敵な景色のことなど脳裏の隅にも焼きついていないのだから、当時は自然観察に疎かったのではないだろうか。やっと震生湖の入口に着けば、そこはゴルフの練習場になっている。その脇を抜けると目的地の震生湖である。特に驚いたのは釣り人の多さである。昔の静かだった面影などすっ飛んでしまった。ここは1923年9月1日の大正関東地震（関東大震災）の際にできた。地震動によって付近の丘陵が200mにわたって崩落し、市木沢（いちきさわ）最上部をせき止めたことから、その川筋と窪地が湖となったもの。湖畔には寅彦が詠んだ「山さけて成しける池や水すまし」の句碑も建っている。我々も震生湖を一周してみる。昨日の雨で道はぬかり、落葉が絨毯の如く散りばめているので滑らないように注意しながら進み、最後は弁財天の社にお賽銭を入れて、その裏側にある公園で昼食とする。野良猫が鳴いて餌をねだるので投げてやる。便所を確認して道に戻り渋沢に向かう。

▲豊橋市立豊橋公園を訪れて

（H23.11.10）

★秋雲に御殿場の冨士沈みをり

★秋深む思い出多き駿河かな

★亡き友を偲ぶ山並み秋深む

★秋雲も素っ飛ぶ早き新幹線

★人気なく寂しさ募る秋の湖

★紅葉降る中庭広き美術館

★秋寂の街中走る市電かな

★長篠の陣太鼓打つ秋の城

★秋光や旅は楽しきローカル線

★紅葉せし幽谷に目を奪われぬ

美術館めぐりを趣味としている私は、地方に出掛ける場合には必ずインターネットでその町の美術館等がどこにあるのか調べ時間をさいて訪れているのが常である。今回は全国自治体退職者会第４０回定期総会があったので、会議に出席する前の時間を利用して美術博物館を訪れた。
　豊橋市美術博物館は、豊橋公園（吉田城跡公園）内の豊橋市今橋町3-1に有る市立の美術館・博物館で1979年（昭和54年）6月1日に開館。郷土の美術品、資料等を展示している。初めての地を訪れるのは私の好奇心をくずぐり大変楽しいものである。広い公園の中にある美術館はどこも落着きがあって訪れる人にとっては癒しの場ともなっている。この美術博物館の環境も素晴らしい。さて、今回の企画展は「渡辺小華とその時代」で、地元の郷土画人展である。国宝「鷹見泉石」で有名な渡辺華山の次男・小華の作品を中心に展示されている。小華は、幕末から明治の初期まで田原藩の家老を務めながら制作を続けてきた。明治初期に豊橋関屋の百花園に居住し、多くの画人・文人と交流をもち、崋山・椿山から続く画系は当地方の画家たちに大きな影響を与えた人で約３０年ぶりの回顧展とか。何時ものことながら日本画や南画などは木の文化の日本家屋にはしっくりしてマッチしている。企画展を見てから豊橋市民のシンボル的公園の吉田城跡、三の丸会館を観て廻り、その昔を偲んだ。また、そこに大日本帝国陸軍歩兵118連隊の練兵所になっていたことを知る。亡き母が若き時に豊橋の紡績工場で働いており、一度訪れたいと語っていたがその夢も叶わず９１歳で他界した。母が言うには隣が兵隊の宿舎だったということを思い出し、美術博物館の人に聞いてみたらそれは愛知大学の前で連隊の碑があるし、今でも紡績工場はあるという。地図で調べたら現在のユニチカではないだろうか。そんな思いで豊橋を訪れた。

▲松代町の文化遺産及び遺跡見学

（H23.10.31）

★浮雲やいまだに青き里の秋

★空澄んで険しき妙義陽に映えぬ

★峠路も秋や信濃は雲の中

★不戦の碑立つ地下壕の秋寂し

★栗飯と新蕎麦美味き信濃かな

★城跡に思いを馳せる秋の昼

★紅葉降るお庭の中のヴィーナス像

★山間の秋のみつる武家屋敷

★松代藩の歴史を学び秋暮れぬ

★松代で栗鹿の子買う秋の旅

大宮で久しぶりに専科一期のクラスメートに会う。そこには笑顔と会話が弾み楽しい旅を予感させてくれた。旅好きの私は個人的にも松代町の文化遺産や遺跡の見学には期待していた。好天には恵まれなかったものの、今回も旅で得たものは大きかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★松代大本営跡は、太平洋戦争末期、本土決戦に備えて極秘のうちに大本営、政府各省庁等を松代に移すという計画の下に構築された遺構群です。日本（当時の大日本帝国）の国家中枢機能移転のために長野県埴科郡松代町など（現在の長野市松代地区）の山中に掘られた地下坑道跡。象山、舞鶴山、皆神山の3箇所が掘削された。また舞鶴山地下壕付近の地上部には、天皇御座所、皇后御座所、宮内省（現在の宮内庁）として予定されていた。この工事には、多くの朝鮮人労働者が動員され、過酷な労働を強いられた。しかし、その犠牲者などについてはほとんど明らかにされていない。馬鹿げた遺構を見て、山本五十六海軍総司令官は国際的な観点から見ても物資の乏しい日本は負け戦であることが判っていたが反対しても抗しきれなかつた悲劇を垣間見る思いがした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★松代の発展は松代藩の歴史そのものである。武田信玄が上杉謙信に備えた軍事基地として千曲川河畔に海津城を築城したことから始まり、1600年徳川家康が腹心の森忠正を１３万石に移封。1622年眞田信之が１３万石で待つ白に入封し、以後、幕末までの250年間眞田氏が治めた。江戸時代、松代藩が生んだ傑物は恩田木工と佐久間象山である。恩田木工は1742年の千曲川大洪水「戌の満水」等で藩の財政が逼迫し、藩の会計として財政改革を実行した。その時の言行録「日暮硯」がリーダーの心構えや態度を説いた名著として評価が高く語り継がれ、現代でも通じるものがあり、共感されている。　佐久間象山は八代藩主幸貫に見出されて大砲を鋳造させた。象山は公武合体・開国を説き江戸で砲術を教え、教え子に勝海舟、吉田松陰、河合継之助、坂本竜馬、橋本左内など次代の日本を担った多くの人物がいる。京都で攘夷派の浪士に暗殺された。八代藩主　眞田幸貫は、江戸後期の賢君といわれ、白河藩主。松平定信の次男で徳川吉宗の曾孫に当たる。水野忠邦の「天保の改革」に協力し、アヘン戦争などでアジア情勢が高まる中、海防掛として諸大名に大砲の鋳造を命じ、また、学問を奨励した。「文武学校」もその一つである。　十代藩主　眞田幸民は、松代藩最後の藩主で宇和島藩主・伊達宗城の長男で九代藩主眞田幸教の養子となる。藩論を「勤王」で統一して新政府の命に従い甲州を警護し、越後・奥州に出兵している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★池田満寿夫美術館　岡本太郎「太陽の塔」、丸木位里「原爆の図」、池田満寿夫「草の上の劇場」の三人は私が好きな画家である。共通点は世界で大きく評価されているが、個人の独創性や強烈な想像性を毛嫌いする保守的な日本画壇での評価は正等に評価されていないことである。そのようなところが私の反骨精神をくすぐりファンである由縁でもある。特に池田満寿夫の作品を見ているとピカソに通じるところもある。池田満寿夫美術館は、長野市出身の国際的芸術家の名を冠した唯一の美術館、として、信州・長野市最南端にある真田十万石の城下町、松代町に1997年4月開館し。この美術館は栗のお菓子で有名な竹風堂がスポンサーとして運営している。内外の受賞作品・版画だけでなく知られざる初期油絵，水彩画，最晩年の陶彫シリーズ「土の迷宮」など多様な作品・資料を収集し，企画展・常設展で公開している。今回の企画展は、モダン＜現代的＞とはなんだろうは、銅版画が写真、雑誌などを中心に展示されている。一階、二階のギャラリーも私一人の鑑賞なので、こっそりと展示物の写真を撮りまくった。私にとっての今日の見学のメインはこの美術館であったから素晴らしい一日となった。

松代城跡

太平洋戦争末期・大本営移転予定の地下壕
松代藩主眞田邸

▲笠山峠～堂平山

（Ｈ２３．１０．４）

★山晴れて刈田広がる奥武蔵

★曼珠沙華実りの秋の刈田かな

★曼珠沙華流れの清き里の川

★曼珠沙華秩父の空の鱗雲

★清水汲む桜紅葉も始まりぬ

★山道は木の葉だらけの野分跡

★山栗を拾う妻の目輝きぬ

★山頂や秋晴れの空限りなし

★山頂を二人占めして秋の中

★見覚えの遠峰ばかりや秋澄みぬ

　　１ヶ月に１度は小川町の笠山に山清水を汲みに行くのが我が家の定例行事トなっているが、前回、普段よりも１２リットル１箱分余計に汲んでいたので１ヶ月もってしまい、９月は水汲みに来なかった。今回は農協でブルベリーがあれば買うことや、槻川の辺に咲く彼岸花の撮影をメインにして定番コース巡りをした。水場に来て見ると、我々が毎回汲んでいる水場は空いているので直ぐに汲めた。水の冷たさは夏と同じなのに外気が低いので一段と冷たく感じる。夏の麦茶も作らないのに、今日は約１５０リットルも汲んだので次回は１１月中旬まで持つのではなかろうか。今日は息子の車なので余り重たさを感じさせないし、笠山峠までグイグイと上っていく。笠山峠から２ヶ月ぶりに堂平山を目指す。杉木立の中の山道を登って行く。道中は台風による木葉が落ちていることは勿論だが、団栗や山栗が沢山落ちている。途中で道が二手に分かれる。我々は何時ものように藪のあるパラグライダーゲレンデへ直結の道を行く。ススキの藪を抜けるとパッと視界が開け芝生のゲレンデに出る。ここからは、遠浅間、信越・上越の国境を形成する山並みを垣間見ることができる。また、秩父連山、武甲山や大霧山、秩父高原牧場、美の山も望める。この景色を二人占めして、昼食を楽しむ。我々にトッは最高の昼食だ。山頂の三角点にタッチしてから山を下りた。上ってきた林道を下る。風景も変らないがまったく新しい道を下っているような新鮮さを感じる。

▲秩父高原牧場～愛宕山

（Ｈ２３．８．２９）
★夏靄に遠嶺はすべて沈みけり

★遠く来て新鮮な秋野菜買う

★キャンプせし子の笑顔見る川堤

★秋海棠咲いて林も賑わいぬ

★山清水汲む手のひらの白さかな

★涼風や木立の中のバンガロー

★緑陰に憩う仲良き老夫婦

★さざ波の如き風音夏惜しむ

★汗かくや虻の煩き登山道

★コスモスや山の牧場は草野原

小川町に入ると本当にシャッター通りで寂しい限りだ。槻川べりにはキャンプしている家族もおり、浅い川の中で遊ぶ子供達の声も賑やかで見ている私たちも楽しくなってしまう。ここは公衆便所もあり、水もあり、コンビにもありキャンプには打つ手付けの場所だ。笠山への林道の入口付近は秋海棠の群生地があり、今が盛りとあって杉林を灯している様は綺麗だ。記念に写真を撮る。通い慣れた林道を登って行くと行き交う車もないので、水場は空いているに違いない。着てみれば誰もいない。いつもの場所で妻と３０分ほどかけて１４０リットルを汲んだ。笠山峠までの走りも重たい。我々は峠越えて一路秩父高原牧場へと車を走らせた。秩父高原牧場のビジターセンターは月曜日なのでお休み。二本木キャンプ場の「あづまや」へ急いだ。車を止めて「あづまや」で買ってきた弁当を食べるも半袖では寒くなるほどの涼しさでびっくりする。私は使われなくなったバンガローを見ながらお花の写真を撮ってまわった。投資したものの利用者もなく１０棟のバンガローは廃墟になってしまった。寂しい限りだ。暫らくして妻と愛宕山の登山道に取り付く。ここは簡単に登れるのがいい。今は草が一面を覆うほどであるが、周囲の木立は手入れらさている。山頂には愛宕神社の石碑があり願掛けをする。山頂は展望がないが、南側の天文台の直ぐ下の木立が透けて妻の好きな大霧山が見える。写真を一枚撮って山を下りる。本格的な登山は諦めたが、妻と里山に月一度登れることを幸せに思う。

笠山

▲聖高原～三峯山～安曇野

　　（Ｈ２３．８．１０）
★夏山も朝より霞む日の出かな

★青葉して妙義の山も和らぎぬ

★朝明けて夏の月なき姥捨山

★先輩の猫絵展見る夏の旅

★聖湖に夏雲影を落としけり　　　　

★夏料理美味き田舎のホテルかな

★道祖神にも日覆いや峠道

★里山の夏日溢るる友の家

★涼風や木立の中の美術館

★八ケ岳の背に入道雲仁王立ち

●７月初めに、小学校時代の一年先輩で私を可愛がってくれた池田宗弘さんから麻績村・信濃観月苑で「猫展」（彫刻・平面７／６～８／１２）を開催するとのご案内をいただいた。昨年もフラガ神父の料理長「池田宗弘による原画展」のご案内をいただいたが体調不良で訪れることが出来なかった。今年は体調も少しずつ快復してきたので訪れてみたいと考えていた。地図を調べると麻績村の隣が旧大岡村で鈴木徹夫・春代さんの別荘があるところなので、ついでに２２年ぶりにお会いしたいと考えて、８月の天気の良い日を選択して今朝、４時半に家を出発。妻と久しぶりに上信越道のドライブとなった。お盆前なので車の流れは順調で、何回も訪れた甘楽Ｓ／Ａに着いた。ここから先に行けば、奇岩の並び立つ妙義山が望める。青葉が茂り何時もよりも優しい風景となっている。軽井沢に入れば、霧一色で嫌な天気だと思いしや、トンネルを抜ける度に次第に晴れ上がってくる。甘楽から休まず一気に姥捨Ｓ／Ａまで走る。姥捨からの千曲市側の盆地の景色は素晴らしい眺めだが日が昇り霞んでいるが、棚田の一部分も見える。ここの夜景の素晴らしさは高速道路日本一とか。京都にバスで旅した時に、その美しい夜景を見たし、昭和３９年末に上田から松本に向かう夜行列車で目にしたことがある。ここで信濃観月苑のオープン時間を調整してから高速道路を離れた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●麻績村は善光寺参りの街道とあってそれなりに整備されている。一度、村の人に聞いただけで無事に信濃観月苑に着くことができた。私達が今日最初の訪問者なので職員が時間前だが池田さんの作品展を見せてくれた。池田さんは大の猫好きで、その猫チャンたちから作り上げた作品の展示とあってどの作品を見てもユーモラスがある。彫刻の猫が鏡をみている「うぬぼれ」は楽しい作品である。小さな展示室なので鑑賞は直ぐに終わってしまったので、信濃観月苑のお庭を見て回る。涼しい木立の中に観月堂や茶室の棟があり、中々風情がある。記念写真を撮ってからお目当ての聖高原に車を走らせる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●千曲川と犀川の間にあり、聖山の麓になだらかに広がる高原、カラマツや白樺林が広がる風景の中、ハイキングやスカイライダー、テニス、冬にはスキーとさまざまなスポーツが楽しめ、聖湖ではボート遊びやへら鮒釣りもできると案内している。リフトで風を感じながら三峯山頂上まで上れば、展望台から北アルプスをはじめとして360度見渡せるという。私は後段の部分に魅力を感じて妻を無理やり案内してきたが、着いてびっくりしたのは、バブル時代に開発された代物なので聖湖湖畔の大きなホテルは潰れており、近くのお店も閉じられたままになっている。その寂びれ方は目を覆いたくなるほどだった。三峯山へのリフトは動いているのでリフト乗り場に行く。妻は乗らないというので私独りで三峯山に登った。雲があるので微かに北アルプスが望める程度だったが、初冬に来れば素晴らしい出会いがあるのだろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●山を下って聖湖東畔にある聖博物館には、麻績村の民俗資料や美術品、標本などが展示してあり、村の歴史や人々の生活がうかがえるというが、今は建物が古くて長期休館となっている。別棟の航空博物館には、F104ジェット戦闘機など全国でも珍しい航空資料を展示しているというが、ここも休館然りであるが、外にF104ジェット戦闘機などが展示されている。本当に寂れてしまった。航空博物館昭和45年に現在の麻績村小学校が新築された時、旧小学校校舎が廃棄されることになったが、明治10年建造の貴重な建築様式を持つ校舎を永く保存しようと、昭和46年、聖高原に移し縮小して復元したという。文化遺産を復元することで教育施設の推移を後世に伝えるとともに、現代社会の情勢を見通し、激変する社会の進展度を航空機とその技術が代表するものとして、復元した旧校舎に航空資料館を設置したというから、その考え方は正しいと思うが、　当時の人たちが考えていた以上に経済の流が読めなかった悲劇とも思えてしまう。この事は日本全国にあることでここだけの問題ではない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　●次に「シエーンガルテンおみ」（麻績村の公共宿）を訪れて昼食とする。「シェーンガルテン」には「美しい庭」という意味があります。四季折々に美しい表情を彩る庭園と美しい北アルプスの峰々を背景にしており長野県サンセットポイント１００選の一つにも選ばれております。ここは景色も素晴らしいし、日帰り温泉もあるという。ホテルから聖山、四阿屋山が望める。冬は北アルプス望め最高のロケーションというので妻もこのホテルに満足していた。次回は泊まりたいところでもある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●ホテルの人が教えてくれた「芦の尻・道祖神」が友達の家に行く途中にあるので立ち寄ってみる。長野市大岡芦ノ尻の道祖神祭りその昔、周囲の村で病がはやった時、はやり病が村に入ってこないように村境（旧大岡村）の芦ノ尻地区に道祖神を祀り、悪霊を追い払ったと言われている。毎年1月7日に道祖神祭りが行われるという。今迄見たこともない道祖神の飾り方なので大変興味があり、写真を撮りまくった。何しろ麻績村から大岡村の友の家まではヤフーで地図を調べてきたものの、それをベースに旧大岡村役場周辺で２回ほど聞いて地図を確認して無事に友の家に着くことができた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●私が着くや友達の鈴木春代さんが出てきたので「岡村です」と挨拶すれば、ニコニコして私たちを迎えてくれた。今回は何の連絡もせずに突然訪れたのでびっくりしていたが、２２年間会わなくても手紙の交流が続いていたので自然体でことは進んだ。私が持っていった乗鞍岳の本の写真を見ながら昔を語り、ここから北アルプスの眺望の素晴らしさや、４軒しかない農家の人たちとのお付き合いや、ここに別荘を建てるまでの経過を聞いたりあっという間に１時間が過ぎさって閉まった。もっと話したかったが、私たちはこれから安曇野の田淵行男記念館に行き、それか帰るので時間が忙しいため名残り惜しいが後にした。沢山の野菜をお土産にいただいたことを感謝したい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●初めて犀川を遡る。安曇野も大変暑く売り出しの北アルプスは雲の中。ここでも地図を調べてきたが道を一回聞いたのみで、木立に囲まれ、庭にはワサビ田もある田淵行男記念館に無事に到着できた。前々から一度は訪れて見たい場所でもあったが、来て見れば、イメージよりも小さかった。しかし、ここには田淵さんが作品にするまでの沢山の資料が生で展示されているのが、外の美術館では見られないことだ。カラーフイルムの時代ではないので作品も地味であるが、白黒の世界は落ち着いた美しさがある。また、一人の男が高山蝶に魅せられて生涯をかけて追い続けたロマンを私は感じずには入られないのである。山に魅せられた人たちには、それぞれの魅せられた分野があるにせよ、難度の山やエベレストに登るよりも、山の蝶の営みを追い続けた研究の方がはるかに崇高であると私は思っている。記念館の外にでれば、猛暑の最中とはいえ、夏休みとあって安曇野は大勢の観光客で賑わっている。というのもＮＨＫの朝の連続ドラマ「おひさま」の影響で訪れる人も多いのだろう。

▲笠山峠～堂平山

（Ｈ２３．７．２３）

★夏富士を見せてもてなす上尾宿

★夏空やパラグラの舞う河川敷

★安らぎの青田広がる奥武蔵

★遠山並夏の浮雲従へり

★里山に来て初蝉を聴きにけり

★静寂の岩下で山清水汲む

★蜩や林中を行く木陰道

★林中の涼受け止めぬ山の道

★山頂や夏の草花賑わいぬ

★山頂の涼風浴びる夫婦かな

●本当に今年の梅雨明けは早かった。７月１０日過ぎには明けてしまった。それからは猛暑の連続で、その上、去る３月１１日の東日本大震災の影響で福島原子力発電所が放射能漏れ事故での電力不足から節電をとの呼びかけに対して応えねばならないこともあって、夏の暑さはこのうえなく、熱中症で亡くなる人も増えた。一昨日、大きな台風が日本を襲ったが、太平洋高気圧が強くて途中で太平洋へ逆戻りしてしまった。そこへ大陸からの寒気が入り込み大変涼しい日が２日続いた。先月、山に水を汲みに行ってから１ヶ月ならんとしているので我が家も水切れとなりそうなので、今日、汲みに行くことにした。今日は山に行くのでウオーキングは行かず、５時に起きて、借りている農園の作物の収穫に行った。トマト、ミニトマト、ナス、ピーマンが取れた。妻の洗濯が終わってから出掛けた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●今日は驚くなかれ、高崎線を渡る上尾の陸橋から夏富士が見えて妻の喜びも一入。これも台風の過ぎ去った後の余波で夏とはいえ、空が澄んでいるからであろう。今頃は大勢の人が富士山に登っているのだろうと話しながら先を急ぐ。荒川に架かる開閉橋の上からも大山、丹沢山塊、奥多摩の山々、奥秩父の連山が見渡せ気分爽快。川島町に入れば青田が広がり、置く武蔵の山が城壁のように連なって見える。田園の中からこの風景は本当に心が癒される。また、小水路にオジサン達が釣糸を垂らしている長閑な風景が暫らく続く。東松山の古戦場近くのケヤキ並木の木陰道は、遠くローマのアッピー街道を思わせる風景を通り過ぎて、嵐山町に入れば、これまで暈しの山であったものがはっきりと見えるようになる。嵐山町の農協販売所では野菜は自家製があるのであまり買わず、寄って、惣菜、野菜とお弁当を買ってから山清水を汲みに行く。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●今日の小川町は夏祭りとあって市内は通行止めなので順路に従って遠回りして、見慣れた槻川の橋を渡り山里に入る。夏休みとあって川の辺は家族連れで賑わっている。ここはキャンプするにしても川も浅く流も緩やかで川遊びには最適の場所だ。山里は何時ものように人気もなく長閑ではある。集落の林道に入れば一昨日の台風で道路にも雨の流れた痕跡が残っている。山間部は蝉や鶯の声を聴くほど澄んでおり、涼しい木陰の道が続く。水場に着いて見れば誰もいない。我々はいつもの蛇口で直ぐに１３０リットル汲めた。今日も笠山峠に向かう。　　　●今日は堂平山に登ることにして峠に車を止めて登りだした。ここから山頂までは林が続くので、その中の登山道は涼しく、蜩や鶯を聴きながらの登りは気分欲登る苦しさも忘れさせてくれる。林を抜けてパラグライダーゲレンデの一角にでれば、視界が開け遠くは浅間山や谷川連峰まで望める。ゲレンデは芝生で覆われているが手入れされていないところを見るとパラグライダー学校も倒産してしまったのだろうか。山頂に立ち脇にある天文台に行って見ると工事中で見学もできないが、キャンプようの寝具を干してある。その下のキャンプ場は夏休みとあって子供達のこえがする。山頂の木陰で昼食を楽しみ、それから峠に下り、アイスクリーム食べに秩父高原牧場に車を走らせた。ここも夏休みで賑わっている。まずはソフトクリームを妻にご馳走して、ここから笠山、堂平山、大霧山の風景を楽しんで山を下りた。

★梅雨明けの空や浮雲広がりぬ

★梅雨明けや今日は楽しき船の旅

★荒川の歴史を学ぶ夏館

★赤色の水門通過夏の川

★友と来て楽しむ夏の船下り

★荒川の土手を染めたる夏の草

★川涼し山の一滴が大河なす

★鉄橋の橋杭太き夏の川

★夏天を突くスカイツリー日本一

★荒川も海に果てたる夏の空

１４期校友会２３年度企画部最初の学習会は、標記の案内のとおりである。この事業は団体で参加するからこそ実現したものであり、この機会を利用しない限り、荒川の船下りの実現はありえないのである。今日はお天気にも恵まれ、朝から蒸し暑く真夏日そのものである。荒川知水資料館まで３５人がバスを借り切っての道中は何年ぶりで私にとっては新鮮さを感じさせる。１時間ちょっとで通勤電車から見ている見覚えの水門近くの荒川知水資料館に着いた。荒川知水資料館は昔からの治水の歴史や現在の管理状況を説明している。午後から国交省荒川下流河川事務所の巡視船「あらかわ」（全長19.9m、全幅5.2m、総トン数27t最高速度は２１ノット時速およそ３９キロ）、環境にやさしいウォータージェット方式の船に乗船し、葛西臨海公園まで下った。普段とは少し違った荒川から陸上の眺めを楽しむことができる。25～30名のグループで学習クルージングを申し込めば、船が業務用で使用中でなければ無料で乗れる。今回は葛西臨海公園手前でひき返したが、時には東京湾へ出てレインボーブリッジや勝鬨橋を経て隅田川を上り出航場所へ戻るとか。あらかわ号の船内では乗船員による案内があり、荒川の歴史や取り組みなど様々なことを知ることができました。荒川は古来より度々氾濫を繰り返し、「荒ぶる川」のようすから、現在の「荒川」と呼ばれるようになったというが、今日の荒川は大河のようにゆったりと流れていました。荒川を渡る橋の長さとその多さには驚きました。私は首都高湾岸線から何時も横目にしながら走っていますが、今日は反対に荒川の船から首都高を見る風景は格別で、特にハープ橋は壮観でした。また、スカイツリーの高さに目を見張りました。　

▲秩父高原牧場～愛宕山

（Ｈ２３．６．２８）

★荒川の土手緑に染まりけり

★梅雨晴れ間釣り人のいる小水路

★梅雨明けの空や水田青々と

★涼風や欅並木の木陰道

★梅雨明けの暈す山へと近づきぬ

★山里も梅雨晴れ間にて風欲しき

★山清水汲む手のひらの白さかな

★緑陰のあづまやを風吹き抜けぬ

★緑陰の眠気を誘う風の音

★林道や緑陰続く七曲り

●１ヶ月に１度は小川町の笠山に山清水を汲みに行くのが我が家の定例行事になっているものの、去る３月１１日の東日本大震災の影響で福島原子力発電所が放射能漏れ事故を起こしてからは、雨が降れば関東周辺の放射能濃度が高くなったので、当初は気にしていたが、最近は水素爆発がなければ、放射能がおいそれと拡散することもないことが判ったので、雨が降って時間が経たなくても汲みに行くようになった。今日も一日がかりのハイキングのごとく家を出た。今日は５時に起きて、借りている農園の作物に挨拶しながら東北線までウォーキングに行く。最初は雨が降っていたので傘をさして歩いたが、やがて青空が覗き始め、雨も上がり気温が上昇しだした。これは梅雨明け間違いないと予感させたので、家に帰りつくや山に水汲みに行くぞと妻に宣言して準備を整えて出発と相成った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●梅雨明けのような空が広がり、車の窓を開けて走っても蒸し暑さには閉口する。仕方なしに窓を締めて途中からクーラーに切り替えたので快適なドライブとなった。荒川の土手の緑一色、川島町に入れば、小水路にオジサン達が釣糸を垂らしている長閑な風景が暫らく続く。東松山の古戦場近くのケヤキ並木の木陰道は、遠くローマのアッピー街道を思わせる風格があり、涼しいそうな風が吹き抜けていく。嵐山町に入れば、これまで暈しの山であったものがはっきりと見えるようになる。嵐山町農協の農協販売所に寄って、惣菜、野菜とお弁当を買ってから山清水を汲みに行く。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●山里に入れば、人気もなく長閑ではあるが、風もなく梅雨晴れの蒸し暑さが漂い、傍を流れる槻川は４月に見たほどの流れに勢いもないが、涼しさを感じさせるようにさらさらと音をたてながら流れており、耳障りがよい。今日も一台の車ともすれ違うこともなかったので水は誰もいないのではと予測し出来た。案の定、一台のみで我々が汲む蛇口は空いていたので直ぐに１３０リットル汲めた。今日も笠山峠に向かう。梅雨山路の湿り気も考えてどこの山に登ろうか、妻と相談して二本木キャンプ場のあづまやで食事をしてから簡単に登れる愛宕山に登ることにして峠を越えた。今日は時間もあるのではじめての林道を通ってから人里に出たが、舗装はされているものの林道が狭く、鬱蒼とした森の中を抜けるので、妻は不安でこの道でいいのと何回も聞く。途中の谷間に洗濯物を干してある人家を見た時に不安が解消し、こんな山奥にも人が住んでいるんだと感心していた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●秩父高原牧場の売店も土日でないので閉まっている。我々は通りすごし二本木キャンプ場の駐車場に車を止めて、大木の木立に囲まれた「あづまや」を陣取り、嵐山町農協で買ってきたお弁当や惣菜を口にする。大木の緑陰が涼しく、時には鶯が鳴き、風の音が浪の如く押し寄せ、耳を澄まして聞き入る。本当にここは別世界である。自然に満たされた中で二人だけの食事をするなんて本当に贅沢なことだ。本当に心の安らぎである。食後は、双眼鏡、カメラを携えて愛宕山に向かう。この時期はお花もなく寂しい限りだ。蒸し暑くて草の蒸れる匂いがするだけ。山頂の愛宕神社にお祈りして引き返す。途中、大霧山が見える所で写真に収めたが青々して懐かしかった。高原牧場には立ち寄らず、一気に山を下り、小川町でカキ氷を食べて帰途についた。

▲国会議事堂～憲政記念館～旧岩崎邸

　　（Ｈ２３．６．４）

★旧友に会えてうれしき梅雨晴れ間　　　　　　　　

★国憂い赤絨毯踏む睦月かな　　　　　　　　　　　

★石造り涼しき国の館中　　　　　　　　　　　　　

★忘れるな安保闘争樺美智子忌　　　　　　　　　　　

★緑陰を行く県木の小道かな　　　　　　　　　　　

★梅雨晴れや議事堂を背に記念写真　　　　　　　　　　　

★梅雨晴れや史跡めぐりの憲政館　　　　　　　　　　　

★薫風に頬なぜられて佇みぬ　　　　　　　　　　　

★アジサイや明治の館偲びけり　　　　　　　　　　　　　　　

★涼風が眠気を誘うテラスかな

専科一期郷土の会の交流会で衆議院会館、国会議事堂衆議院本館、憲政記念館、重要文化財「旧岩崎邸庭園」等を見学する機会を持つことが出来ました。クラスメートの姪御で議員秘書されている方のご協力で特別通行証を借りていただき、普段見学できない所まで見させていただきました。明治時代に国会が開設されて以来、国会は良きにつけ、悪気につけ「国政の決め事」を決定してきた国の最高機関です。その国会が開かれる議事堂を建物の観点から見学するのは初めてのことなので、今日は少し興奮気味に見てきました。現在の国会議事堂に至るまでの歴史を見ていきます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★日本に議会が開設された明治２３年（１８９０年）から現在の議事堂が完成するまでの４６年間、第１回帝国議会から第６９回帝国議会までは、木造の仮議事堂を使用していました。議事堂建築にあたって不平等条約の改正に取り組む政府は、外交上の政略等もあり、外国の技術者を招聘することにし、ドイツから建築家を招聘しました。明治２０年（１８８７年）４月、議事堂建築予定地を麹町区（現在の千代田区）永田町１丁目に決定し、ドイツ人建築家により議事堂の設計（エンデ及びベックマンによる案）がなされ、中央諸官庁の集中建築計画が立てられましたが、計画に従えば多大の経費を要すること、議事堂のような大建築物を造り上げるには帝国議会の開設があまりにも切迫していたことから、議事堂の本建築は中止され、麹町区内幸町２丁目（現在の千代田区霞ヶ関１丁目経済産業省の区画）に仮議事堂を建築することになりました。
　仮議事堂は、２度火災で焼失したため、都合３回にわたって建築されました。　　　　　　　　　　　　★＜第１回仮議事堂＞　明治２３年（１８９０年）１１月２４日（第１回帝国議会召集の前日）竣功。木造洋風２階建て。同年１１月２９日に貴族院議場において開院式が行われ、我が国最初の議会である第１回帝国議会が開会しました。しかし、翌２４年（１８９１年）１月２０日未明、突如出火し数時間で焼失してしまいました。原因は漏電と言われています。議会開会中のため、貴族院は華族会館（旧鹿鳴館）、衆議院は東京女学館（旧工部大学校）に議場を移しました。貴族院はのちに華族会館が手狭なため帝国ホテルに移転しました。ドイツ人建築家アドルフ・ステヒミューラー及び臨時建築局技師吉井茂則の設計。　　　　　　　　　　　　★＜第２回仮議事堂＞第１回仮議事堂の焼け跡に明治２４年（１８９１年）１０月３０日竣功。木造洋風２階建て。外観は第１回仮議事堂とそれほど変わりませんが、中央に１か所だった玄関が貴衆両院それぞれに設けられ、防火壁、議場の音響効果改善など、細部に工夫が凝らされました。大正１４年（１９２５年）９月１８日、補修工事業者の不始末から火災を起こして焼失。吉井とドイツ人建築家オスカール・チーツェの設計。　★＜第３回仮議事堂＞大正１４年（１９２５年）１２月２２日竣功。木造洋風２階建て。焼失前の第２回仮議事堂と同規模の建物を設計し、工事に着手しました。作業は不眠不休の努力で進められ、わずか８０日余りで完成し、現在の議事堂が完成するまで使用されました　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★＜広島臨時仮議事堂＞明治２７年（１８９４年）１０月１４日竣功。木造板葺（いたぶき）洋風平屋建て。同年８月、日清戦争のため大本営が広島に置かれ、「第７回議会を広島に召集する」との詔書が９月２２日に公布されたため、急遽建築しました。広島臨時仮議事堂は竣功翌日に召集された第７回帝国議会で使用され、臨時軍事費予算案などを可決した後、４日間の会期を終えました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★<国会議事堂の構造>国会議事堂は鉄骨鉄筋コンクリート造り。中央塔を除く大部分が地上3階建て、中央塔が4階建てで、塔屋最上部まで含めれば9階建て。全国から集められた石や木材が使われており、外装は花崗岩を使った石積みで、特に外装に多く使われたのが広島県倉橋島の桜御影と呼ばれる桜色をした御影石。内装には壁や廊下には花こう岩や大理石、床や階段の手すりなどには古生代の貝類やサンゴといった化石がちりばめられているという。また、天皇の休憩室には紅葉石が使用されているという。当時のお金で総工費2,573万5,977円であり、現在に換算すると690億円と云うが、お金では換算できないのかも知れない。　　　　　　　　　★戦後、日本国憲法が制定され、帝国議会にかわる国会が国権の最高機関と位置付けられると、国会議事堂はその権威を象徴する施設となった。また議事堂周辺の国有地が衆議院および参議院の所管に移され、民有地も次々に買収されていったため、現在の国会議事堂の周囲は国会や国政政党関係の施設が立ち並び、日本の政治の中枢をなしている。

憲政記念館

旧岩崎邸

▲神代植物公園～深大寺～水生植物園

（Ｈ２３．６．４）

★ヴェルサイユーの如くバラ満つる植物園

★バラを見に車椅子押す親子かな

★バラ園も日傘の女賑わいぬ

★バラの香をおりまぜ美味きソフトクリーム

★薫風や木立中行く心地よさ

★緑陰の裏通り行く深大寺

★薫風や緑の中の深大寺

★境内に句碑並び立つ夏の寺

★緑陰に滝ありて池満たしけり

★深大寺そば味わいぬ睦月かな

今年は例年に比べて一週間以上も早く梅雨入りしてしまったので、ぐずついた天気が続いていたが、今日は久々の梅雨晴れとあって天気は申し分なし。京王線「つつじ丘駅」に集合してバスで神代植物公園まで行く。初めて訪れるところなので最初から興味津々だ。メインの温室とバラ園に行く。　　　　　　　　　　　　　★バラ園はヴェルサイユー宮殿のバラ園を思わせるような雰囲気がある。見頃を過ぎたとはいえ、世界各国を原産地とするバラが色とりどり咲き誇り、我々観賞者を楽しませてくれる。西側にはザルツブルク「ミラベル庭園」のサンドオブミュージックのロケ地となったバラのトンネルを思わせるバラの壁が美しかった。印象的だったのは何台もの車椅子の人がバラを楽しみ来ていたことと、日傘の女性が多かったことである。そこを見終わってから温室に入ってみると。ここでの大発見は、我が家に咲いているベゴニアは小さな花を沢山つけているが、ここでは大輪の菊のような一輪咲きでその見事さにはめを見張ったのである。お店でバラの香を織り交ぜたソフトクリームの美味しさは格別だった。全員集合して記念写真を撮り植物園から深大寺に向かう。そこまでの間の散歩道も木立の中にあり、薫風が心地よく吹き抜け、思わず両手を挙げて風を受け止める。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★深大寺へ緑陰の小道を下っていくと、土産物や蕎麦屋の連なり、観光客で賑わう門前町に出る。表門の山門をくぐり深大寺に入る。深大寺は（733年）満功上人が法相宗の寺院として開創したと伝えられ、859年、天台宗に改宗している。1646年と1865年に火災に遭っており、堂宇の大半を失っている。現在の本堂は大正年間の再建であるが、山門は当時の大火を免れて当時のままの佇まいで現在に至っている。本尊は本堂に安置の阿弥陀三尊像。東京都では浅草の浅草寺に次ぐ古刹でもある。境内のあちこちに、文人達の幾つかの句碑が並び立ち、当時の面影を偲ばせてくれる。昔から賑わった古刹であり、歴史の重みを感ずる。　　　　　　　　　　　　　　★次に水生植物園を訪れる。深大寺の山門近くにあり、緑豊かな場所である。深大寺城跡の一角にあり、低地の湿地帯となっているため、一年を通して様々な植物のお花が見られるが、アヤメと彼岸花に人気が集中しているらしい。木道を歩きながら池のカメに目を見張ったり、水生植物を見たり楽しいひとときだった。２時間たっぷりと歩いたので空腹も限界となり、深大寺門前の一角にある、予約していた「矢田部茶屋」に急ぎ足で向かう。二階に通され我々のグループだけでの膳となり、ビールで乾杯。テンプラつきの深大寺そば味わいながら、皆で賑やかに楽しい一時を過ごして解散と相なった。

▲笠山峠～笹山～秩父高原牧場

（Ｈ23.5.25～26）

★梅雨入りの空や里山重苦しい　　　　　　　　　　

★梅雨入りや沢音高き流かな　　　　　　　　　　　

★山清水汲む手の温さ変わりなし　　　　　　　　　

★梅雨入りや山の草木の色豊か　　　　　　　　　　

★梅雨晴れて広き谷間の緑かな　　　　　　　　　　

★山頂に一人佇む梅雨の山　　　　　　　　　　　　　

★梅雨晴れや小鳥の声も数多なり　　　　　　　　　　

★峠越えしてアジサイに出会いけり　　　　　　　　　

★梅雨晴れ間牧場の牛も休み時　　　　　　　　　　　

★ポピー咲いて山の牧場も賑わいぬ

●お天気もよく我が家の飲み水となっている山清水も切れてしまったので小川町の笠山に山清水を汲みに行く。定番どおりの惣菜、弁当、野菜等を買い、何気なく草花売り場を覗いたらゴーヤの苗が売っていた。ここでは１５０円で我が家の近くのお店の半値。今年は原発事故でこの夏は電力不足が来るのでエコーということで日よけとなるゴーヤの値段が倍になってしまったのだ。買い物を終えて小川町の水汲み場へと車を走らせる。山里の集落は何時ものように静まりかえっている。今日は山の集落まで一台の車ともすれ違うこともなかったので着いてみれば水を汲み終わった一台だけである。これまでの雨で水の噴出しは勢いがよく短時間で１２６リットルを汲めた。水の勢いを写真に収め笠山峠に向かう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●笠山峠で昼食として堂平山にと思ったが、妻がお腹の調子が悪いというので堂平山登山は止めて、妻を残し一人で近くの笹山に登ることにして出発。この笹山は笠山の西側にあり、模型飛行機の滑空場として知られており、山頂まで３０分ほどで着いた。山頂からの眺めはよく遠く「さいたま新都心」まで見える。風向を図る赤と白の吹流しが風向きに膨らんでいる。写真を撮って早々に下る。丁度、今頃が秩父高原牧場のポピーが見頃なので車を走らせた。ポピー畑は満開であるが、来る度に面積が狭くなっているように思える。ポピーを友に妻や大霧山の写真を撮ってから牧場の売店へと戻り、美味しいアイスクリームを食べながら大好きな笠山や堂平山の風景を楽しんだ。

▲伊豆多賀温泉
　（Ｈ23.5.25～26）
★大山も梅雨入り前の曇り空

★見覚えの山も青葉や小田急線

★青葉せし山間の川清らかや

★雪富士を背に山北の田植えかな

★小田原の蒲鉾美味き五月かな

★梅雨空と海原区切る水平線

★潮騒を打ち消す梅雨の防潮堤

★釣り人も輝く朝日夏の浜

★風涼し防潮堤のテトラポット

★ハマナスも咲いて砂浜賑わいぬ

●伊豆多賀温泉にはかれこれ５回ほどいっている。ここは熱海からも近く東京都市町村共済組合の保養施設「シーサイド伊豆多賀」で安く使えることが一番の利用理由で使用している。ここの風呂場からの相模湾の眺めは初島や大島も望めるほど素晴らしいので妻と一度訪れている。会館前の長浜海岸の砂浜は海水浴場として昔から有名で、江戸時代の街道筋に植えられた松並木の面影は今でも一部残されている。その長浜海岸は３年前から改修工事が始まり、やっと今年の春に終わったらしく、すっきりと整備されて車で釣りやボートを楽しむ人たちの姿も見える。防波堤に囲まれた砂浜は子供達にとって安全な遊び場だ。翌日、私も整備された海岸を日の出前の海岸や防潮堤の上に出来た散策路を散歩してみる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●５時前というのに既に釣り人は来るまで何人も着ている。また、ウオーキングしている人、ジョッキングしている人、犬を連れて散歩している人等見かける。私はまず防潮堤の散策路に行って見る。防潮堤の内側の砂浜へ寄せる漣は音も静かであるが、防潮堤の外側はテトラポットが幾重に折り重なって防潮堤をガードしている。そこへ荒波が打ち寄せては砕けているので波音は高く荒々しさを感じる。そのテトラポットの上から釣糸を海に垂れているが３人ほど見かける。その内に雲間に日の出が出始めると、光りが海面を照らし始め釣り人も輝く。犬を連れて海岸に打ち寄せられたゴミを拾って歩いている人に出会う。犬を連れて散歩させていただいているので、その御礼にゴミを拾っているというではないか。地元にこういう考えの人がいるからこそ海岸も綺麗に保たれることは間違いない。海岸に咲くハマナスの花が愛らしく楽しい朝の散歩だった。