美術作品及び文化遺産めぐり
★今から20数年前のある朝、民放テレビのモーニングショウに出演していた今は亡き小松方正さんが、「自分が48歳になった時に、お前がこれからの12年間を如何に過ごすかで、その後のお前の人生が決まる」と先輩が忠告してくれた。その忠告を真摯に受け止めて60歳までの12年間を真剣に生きてきた。お蔭で今日の輝いている自分があると語り口調で話していた。その小松さんの語りが、47歳の我が胸に響き職場で悶々としていた私に活をいれてくれ、我が人生の見直しと再出発の切っ掛けとなった。その甲斐あって私も輝きをもって定年退職を迎えることができた。
★また、在職中に老人福祉施設で大勢の高齢者の方と接する機会があった。施設での様々な行事に参加されている皆さんはみな輝いていた。その輝き無言のうちに定年後の生き方を教えてくれたと言っても過言ではない。退職後の輝いた人生を送るためには、これまでの自分中心の余暇の過ごし方を改め、「余暇の時間は自分のものだけではなく、妻と一緒に楽しむ時間でもある」という発想転換して、それまでの登山・スキー・旅・ドライブ・ウォーキング・写真・俳句・エッセイ・手作り本作り等の趣味に、妻と一緒に楽しめる美術作品及び文化遺産めぐりを加えた。我々二人は美術鑑賞が好きで、これまでも東京で開かれた美術作品や文化遺産展に二人でよくでかけていた。見て見っぱなし鑑賞記録は作らず日記に留めるに過ぎなかった。それがヨーロッパ旅行を重ねる度に美術作品や文化遺産に触れる機会が多くなり、鑑賞記録や踏み跡を残さなくてはとの思いが強くなって、平成13年から鑑賞記録を書くようになった。それ以来、新聞やテレビの美術作品番組に目を通したり、美術史や世界史なども勉強するようになって、少し自分の世界が広がりはじめ、美術作品及び文化遺産めぐりが楽しくなてきた。
★これまでの美術作品鑑賞の中で一番嬉しかったのは、会いたかった小学校時代の先輩「池田宗弘さん」が彫刻家となっていることを知り、先輩の作品展を長野県朝日村で鑑賞させていただいた上、半世紀ぶりにお会いできたことだ。 ★体力が衰えても息長く鑑賞できる美術作品及び文化遺産めぐりは、老後の活力となることは間違いない。これからを通して人生を豊かなものにしていきたいと考えている。今回、私の踏み跡を書き残す一環として「手作り美術鑑賞記録集」を発刊した次第です。平成16年1月