私がエッセイを書くようになったのも日記を書き続けていることによる影響は大である。40代半ばに健康上の問題を契機に、私の生き方は大きく変わりました。当時、残されている時間はどれくらいか不安でしたが、その不安が一掃されてからは楽な生き方をしようと考えて、5年ごとに基本目標を定め、1年ごとの実施計画を立て、それにそうような生き方を積み上げることにしました。そこからの最初の一歩は自分の踏み跡を記録することから始めることにして、それまで断片的に続いていた日記を毎日書き始めるとともに、それまでの未整理だった登山・スキー記録をまとめて本にすることを目標に掲げ積み重ねてきました。その甲斐あって今日までの登山・スキー記録集と登山・スキー句集を発刊することができました。 こんなこともあって私のエッセイはA4判の1頁に収まる程度の短いもので、そこには私の思いが日記風に書かれています。職場を65歳で完全リタイヤするまでは読んでくれる人や発表する場もあって数多くのエッセイを書いて残してきました。しかしながら退職してからはどうしたわけか書く気にもなれずに過ごしているのが現実です。振り返って見て大きな要因は山仲間の一番の親友を失ったことが大きく影響しています。山にしてもエッセイにしても友が亡くなったことで力が入らなくなってしまいました。今は、年一度友の追憶を書いて「山には友情がある」に追録しています。これだけはこれからも書き続けていきたいと思っています。
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