第一日(6日)港区役所〜野沢温泉
高速道路が発達してしまうと夜行スキーバスも早く着き過ぎてしまい、旅館側も受け入れが厳しいこともあって、今年は朝7時に野沢温泉バス中央広場に着くようにと、出発時間や途中での休憩で時間調整することにして、夜10時半集合となった。今回は私のスキーの大恩人である加藤幹夫さんが参加してくれるので早めに区役所に着いた。加藤さんは既に到着していた。再会するのは何十年ぶりのことか。しかし、若き日にお互いに行動を共にした仲であり、会えば昔のような雰囲気で話が弾んでいく。先ずは、スキー部長をはじめ関係者に紹介する。
夜中の11時に区役所を出発し丸の内から練馬区まで煌々と輝く国道を走り抜ける。都心から離れるに従って街道筋に人影はなく電灯の明るさが更に淋しさを漂わせている。時間調整のこともあって急ぐこともなく制限速度を守りながら関越自動車道に入る。高坂SA、横川SA、小布施SA等で休憩時間を長めにとって調整する。しかし、バスの中では窮屈で睡眠もあまり取れないことは言うまでもなく、本当に寝不足になってしまう。SAに寄るたびにトイレ通いになってしまう。そんなことを繰り返しているうちに思い出のある野沢温泉村に到着するが、雪の少なさには驚く。また、今日の天気は曇天で青空などは何処にもなく期待できないことは一目瞭然にわかる。
今回は宿泊のホテルに着けば割り当ての部屋に直ぐに入れた。それならば早く到着して休ませてくれればいいのにと思うが、ホテル側が嫌ったらしい。30数年も通っているのだから融通を利かしても思うが、ホテル側はそれをやることで人件費もアップするので断ったのであろう。朝食後、9時半に集合を掛けてスキー準備をする。今日は着てきたダウンを着込むだけの簡単な身支度で滑ることにした。リフト券はシルバー2日間で6000円高い。菅平の3日間で5400円の安さが身に染みてくる。
ゴンドラで「やまびこ駅」まで行き、足慣らしに格好のゲレンデである湯の峰ゲレンデに行こうと思っていたら、リフトが土日だけしか動かさないというので、やまびこゲレンデに行く組と分かれて、我々はパラダイスゲレンデ滑ることにした。加藤さんと何十年ぶりに一緒に滑る。彼のスキーは昔懐かしきオーストリアスキーのメインだったシュテムクリスチャニアそのもの。加藤さんも病気したので5年ぶりとかでふらつくところもあるが、気分よく滑り出したので一安心。昼食は12時に宿泊ホテルで待ち合わせすることにして、彼は自由に滑ることにして集団行動から離れた。井口さんたちが滑った中でチャレンジコースがよいというので、私も滑ったらグーでよかった。
午後、加藤さんはお休み。我々はやまびこ駅まで一緒に行き、午前中と同じように分かれたので、私はやまびこゲレンデを松原さんたち目指した。しかし、時間がなくフード付きリフトには一回しか乗れず。右手のゲレンデは滑れなかった。スカイラインリフトで登り、5キロのスカイラインに仲間と滑り込んだ。コースも雪が付いていたり、ガリガリだったり荒れているので、神経を集中させ安全運転で滑るので下着は汗で濡れてしまう。滑り終わってほっとしたが、しんどかったことは言うまでもない。
第二日(7日)湯の峰〜水無〜上の平〜林間コース〜やまびこ各ゲレンデ
今日の天気は青空一色、土曜日なのでゴンドラも混雑することから早めに行くが、既に30分待ちで乗れた。加藤さんはパラダイスゲレンデオンリーのため、我々は待望の湯の峰で滑ることにして早めにゲレンデに向かうが、林道も昨夜、降った新雪の感触がよく快適に滑るので鼻歌も出てしまう。ゲレンデからは妙高連峰の眺め素晴らしく、滑る前にその素晴らしさを撮影してから皆さんと一緒に滑り出す。何と固い雪の上に20センチ近くの新雪なので自由自在に気持ちよく回転が決まる。こういうときは一気に滑ることが鉄則でリフト乗り場へあっという間に滑り下りシュプールを眺めるのも楽しい。皆さんも気分よくグーを連発していた。
次第にこのゲレンデの良さを知ってか人が集まりだしたので、我々は下の水無ゲレンデへも滑っていく。ここではポールの練習を強化選手が練習していたが、一般にもゲレンデが開放されているのでポールの脇を滑る。雪質がよいので斜度があるが一気に滑ってしまった。何と気分のよいことか。ゴンドラに中間駅で乗り込み再度、パラダイスゲレンデで滑りを楽しんだ。ここで私はひょんなことからカービングスキーの本来の回転が判りかけてきた。スキーの靴の位置が一番幅の狭いところなので、ここで右左を交互に足全体を内足過重するだけでスキーが自然と回転してくるのだ。これを何回か繰り返しているとこれだというものが判り掛けてきた。井口さんやスキー清水部長に話したら正しくその通りだというのでうれしかったことは言うまでもない。
午後は皆さんがパラダイスで滑るというので、私はやまびこゲレンデのAコースを滑っていないことから、松原ご夫婦とやまびこゲレンデに向かう。天気がよいので混雑しているので、Cコースもコブコブのゲレンデになっていたが雪が柔らかいので私の膝も何とか乗りこなせた。ここは雪質が良いので立ち入り禁止区域にスノーボーや深雪を楽しむスキーヤーが縦横にシュプールをつけている。フード付きのリフトに乗って辿り着く、毛無山の山頂からは青空下360度見渡せて言葉はいらない。Aコースはなぜか滑る人も少なくスイスイと滑れた。パラダイスゲレンデの茶屋で3時半待ち合わせなので、時間がなく一本で終わったが満足できた。
皆さんと待ち合わせした茶屋も空いているのには驚いた。お汁粉がないのでクリームアンミツを食べたが美味しかった。土曜日というのにゲレンデも空いていることからしてもスキーヤーが減っていることは目に見えて判る。そのために土日しかリフトを動かさないゲレンデも出てくるのだろう。帰りは私が林間コースを担当して他の人はチャレンジやユートピアコースに回ってもらった。私は林間コースから夕日を見るのが好きなので、夕方はこのコースを滑りながら一句詠むのを常としている。今回は日影で5時まで滑ることにして頑張ってしまった。ゲレンデの上部に鳥居のある祠から見る夕日は素晴らしく一枚切り取ってしまった。バンバン滑って5時2分前に最後のリフトに乗り込んだ。こんなに頑張ってしまったのは初めてだ。連絡用リフトも終了したので林道を滑ってホテルに着いたが、一番最後に引き上げた人に私がなったのには恐れ入りました。
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